
水曜日、朝9時に新宿御苑で待ち合わせをしていた。
話せる時間は20分程度。
御苑の開園時間は9時だから、開園時にゲート前で会えるようにと出かけた。
それが、高田馬場に着くと、山手線が事故で停止していて運転開始の見込みは9時10分だという。
えーい、それならと、今降りたばかりの西武線にもう一度乗り込む。
西武新宿駅に着くと新宿御苑まで急いでギリギリ間に合うかどうかの時間。
私は新宿駅方向に向かい、急いで歩き出した。
この日は午後から銀座の占いハウスに出演することになっているので、
ノートパソコンをはじめ、カード3セット、クロスや釣銭など営業道具一式入ったバッグと、
御苑で使うピクニックシートやマット、ペットボトルの飲みものを抱えていた。
満員電車の中では結構かさばっていたし、朝の新宿の街を歩くのだって気を遣う。
何より、急いで歩くのなんてとんでもないという重さ。
・・けれど、そんなことお構いなしに急ぎ足。
ドンキホーテ前から新宿駅方向へ、
交差点の信号を渡ったあたりで、おじさんがティッシュか何かを配っていたようだった。
私はバックをかかえて一目散に交差点を渡り、おじさんの脇を大きく離れて通り過ぎようとした。
その時、おじさんが私にふと近寄って、右肩から腕のあたりをふわと触った。
PCの入ったバックのかかった右肩。
人の手のあたたかい感触。おじさんは一言もない。
ほんの一瞬のことだった。
ものすごく驚いて、振り返っておじさんの顔を見たような気がする。
そして、反射的に飛びのいて走って逃げた。
その勢いで3分遅れで御苑に着くことができたけれど、
頭がくらくらしていた。
せっかく待ち合わせたゆりのきの花が見頃なのに、さくらんぼも小さく実り始めているのに、
待っていたその人と話をしながら、私は30%くらいしか起動していなかった。
そしてあっという間に、本当にすぐに20分が経ってしまった。
身体が軽くなって、心が戻ってきたように思えたのは、
相手が千駄ヶ谷門に向ってからなお、少し経ってからだった。
せっかくの時間を不覚に過ごしてしまったと思っていた。
この時点で、私は、自分が重い荷物を持って急いだために疲れてしまった、という事実にまったく気がつかず、
相手が不愉快な思いをしたのではないかとそればかり考えていた。
で、この日、夜の11時まで占いハウスにいて、いくつかの反省をすることになったのだ。
そして、帰りの。深夜の地下鉄の中で。ハッとする。
預言カフェという、メッセージをもらえるカフェが高田馬場にあってときどき行く。
そこはキリスト教の信者さんによって経営されるカフェで、丁寧に淹れたコーヒーとひとりひとりに話し言葉でわたされる神様のメッセージが癒しをもたらしてくれる。メッセージはその場で録音し、持って帰るか、PCに送ってもらう。
前日の深夜、一週間前に聞いたメッセージがPCに着いていて眠る寸前に聞いた中に、
こんなメッセージがあったのを思い出した。家に帰ってすぐに聞きなおすと。
「力が入り過ぎるときがある、と主が言われています
何か力が入り過ぎてしまうと、見落してしまうものがあります。
だから肩に力が入っているなと思ったら一歩引いてみると、
あ、ここはこうすればいい、ここはこうするべきだと、ちゃんと全体像が見えてきます。
ですから娘よ。力が入り過ぎないように、あなたが肩の力を緩めて進むことができるように、
私はときどきあなたに触れます。
だから心配しないでと、主が言われています」
ここで、相手と私の小さな笑い声が流れる・・
あのおじさんが、神様だったのだと、思う。
こういうことは時々起る。
いつでも、どこにでも神様はいてくださる。
私たちは、いつだって愛されている・・・
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